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The Brothers Lionheart

初見。


作者の意図とは異なるであろう部分で、私的には結構考えさせられた。



あらすじ

新たな世界ナンギヤラに旅った二人の兄弟ヨナタンとカール。彼らが体験する冒険を描いたファンタジー。



Bröderna Lejonhjärta



スウェーデン人の友達にオススメのスウェーデン映画を尋ねたところ、今作を紹介してもらったので鑑賞。1973年に出版されたスウェーデンの有名な児童文学書の映画化らしいよ。46ヵ国語に翻訳されたみたいだけど、私、全く知らなんだ。


何も考えずに観る、もしくは子供が観たなら、絆で結ばれた兄弟が困難を乗り越えつつ平和の為に戦う冒険ファンタジー、という印象で終わるかもしれない。児童文学書、という事なのでなおさらそう思えてもおかしくないんだけど。


映画を見始める前にその印象を抱いていた私にとっては、開始早々5分も経たないうちに、テーマの重さの波に飲み込まれた次第でございます。


そして以下ネタバレでございます↓















物語が始まると共に映し出されるのは、病のためにこれから死にゆく弟カールとその世話をする兄ヨナタン。病床でなされる二人の会話がまた現実味を帯びていて堪らない。


まず第一に、カールはもうすでに自分が近いうちに死ぬ事を自覚しているという点。死への恐怖に苛まれながら、その事実を幼心に受け止められずにいる。大人だったら良いとは決して思わないけどさ、でもまだ小さい子供だぜ? 残酷だわ。


そして、そんなカールのために優しいヨナタンは「死んだら皆ナンギヤラに行って、幸せに暮らせる」というお話を聞かせる。だが、ヨナタンの年齢(13歳)から考えると、それは弟を元気づける為の嘘だったと取る方が自然だよね。


しかも、ヨナタンは会話の中で「自分は90歳くらいまで生きるだろうけど、ナンギヤラでの時間はたったの数日だから、少しの間だけ僕を待っていてくれ」と話すが、皮肉にもカールよりも先にヨナタンが命を落とすことになる。


もしも本当にヨナタンが弟のために作り話をしていたとしたら、自分は長生きするのだという予想を裏切り、終わりも始まりもない死後の世界に突然投げ出された彼に因果を感じてしまって、勝手に一人で身震いしてしまったんだよね。


結果としては、この物語の中ではナンギヤラは存在していた訳だが、基本的には死んでしまえばあとはもう無しか残されていない。いや、死後の世界なんて今生きている人には分かりっこないから何とも言えないんだけどさ。


兄弟二人が死後の世界ナンギヤラで幸せな日々を送っている最中も、現実世界に生きている人々の中では二人はもう死んでいる。ラストで二人の墓が映し出された意味を考えると、夢物語の裏に隠された現実「命は一つしかない」を否が応にも思い出させてくれてヘコむ。


また、これはもう完全に私が勝手に感じた事なんだけど、兄を慕い過ぎる幼い弟の存在に、ヨナタンが何を思っていたのかがすごく気になった。


彼らの間で確かな兄弟愛があった事は否定しないが、どこに行くにも「僕も行く」、ヨナタンヨナタン名前を呼んで、もはや彼にプライバシーはないよね。歳の離れた兄弟ならなおさら、とか思ってたけど、よく考えたら二人は4歳しか離れてないんだね。ヨナタン役を演じた俳優が18歳くらいに見えたから勘違いしてたヨ。


そんな感じで、身近な人間の死なども描きつつ、ただの冒険ファンタジーとして終わらない出来となっているが、ここでまた気になるのが、ナンギヤラで死んでもナンギリマという世界で蘇る事ができるってこと。死という重いテーマを少しでも和らげる為の作者の配慮なのかな?


想像以上に深い映画でした。
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映画への愛は半端じゃないですが、適当な性格なので、愛がうまく伝わっているか自信がありません。というか、何の話をしてるんでしょうかね、私。

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